鉛色の紙飛行機

ゲームについての感想など。

DARK SOULSⅢとアクションゲームの話

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色々な部分で難易度が高いゲームでした。何回YOU DIEDの文字を見た事やら…
難しさの分だけ達成感もありますし、世界観や育成の奥深さなど魅力的な部分も多かったので、どうにか心が折れずにエンディング+DLCまで終わらせることができました。
まあ理不尽に感じる部分もありましたが、とりあえず一周クリアするというだけなら十分なんとかなる感じでした。やはり他プレイヤーの助けを借りられるのはありがたいですね。

双王子や修道女フリーデなど一人では勝てなかったボスももちろんいましたが、ゲーム自体の攻略だと知識(何処にどんな敵がいて何をしてくるのかなど)の方が重要だったので、トライ&エラーを繰り返せばソロでもある程度はクリアできました。
対人となると話は別で、反応速度から判断力、更に知識まで求められる感じだったので、自分の腕では数の有利に頼らないと勝てませんでしたね…(正直悔しい)。

世界観は言い回しや用語も含めて非常に魅力的でした。
「王の薪」「火の無い灰」「冷たい谷の~」のような用語や「~したまえよ君」といった言い回しも良かったのですが、個人的に一番印象に残ったのは「深み」だったりします。
英語でも「abyss」ではなく「deep」のようですし、わざわざ「深淵」と「深み」を使い分けている理由が少し気になります。
「深み」、なんか美味しそうな言い回しですよね(実物はその真逆を突き抜けてますが)。

プレイしている内にアクションゲームについて思うところがあったので、それも交えてまとめておきます。
ダークソウル3をやっていて難しく感じた部分をまとめるとこんな感じです。

1、敵配置(不意打ちされ囲まれる、いきなり突き落とされるなど)
2、ギミック(不安定な足場、矢のトラップなど)
3、敵の特殊な能力(状態異常など)
4、敵の攻撃動作(ディレイを織り交ぜた緩急のある攻撃、広い攻撃範囲など)

アクションゲームを楽しむにはある程度の素質が必要だと今まで思っていましたが、どうやらそうも言い切れなさそうでした。
この中の少なくとも1から3は知識で対応できるんですよね。
初回は引っ掛かったとしても、事前に対策を用意しておけるので次回は大体どうにかなります。
「誘い頭蓋」などの有用なアイテムを上手く使えば初回でも乗り越えられたのかもしれませんが、なかなか難しかったですね。

問題なのは4です。その瞬間での判断が求められるため、事前に対策するといっても限界があります。
ディレイ攻撃をしてくると知っていたとしても、判断できずに反射的に回避してしまえば回避後を狩られる。
広い攻撃範囲の技が来ると分かっていても、タイミングを合わせて回避できなければダメージを受ける。
とはいえある程度の対策は可能で、

・大量の回復アイテムを持つ
・耐性を高めて被ダメージを減らす
・相手の弱点を突いて戦闘時間を短くする
・間合いを調節して厄介な攻撃の頻度を減らす
・その攻撃だけ盾でしのぐ(攻撃を判断でき、かつガード可能なら)

こういった事をすれば(避けきれなくても)勝率を上げることができます。
自分の場合、もしダークソウル3に盾が無かったらクリアできなかったような気がします。
動作が早いうえにリーチのある攻撃をされると反応できないんですよね…(騎士どもとか一部のボスとか)
受け値が優秀な「黒騎士の盾」と雷耐性が優秀な「ロスリック騎士の盾」には本当にお世話になりました。

ただまあ根本的な解決にはなっていないので、周回でステータスがかなり強化された敵や、盾ガードを崩してくる敵には無力でしたね。
暗月誓約で高周回のホストの世界へ召喚されて瞬殺されたり、連続攻撃で盾を崩されたり…
対人に関しては言わずもがなです。

結局何が言いたいのかというと、「反射神経やとっさの判断に自信が無くても知識と準備である程度カバーできるかもしれない」という事です。
対人がメインのゲームは流石に厳しそうなので避けますが、一人用のアクションゲームならもう少し挑戦してみても良いかなと。そんな結論です。

レジェンドオブレガシーの感想と紹介:探索と試行錯誤のRPG

前回に引き続きフリューのRPG、今回は賛否両論な「レジェンドオブレガシー」を紹介します。
実は、この記事を書きたかったというのがブログを立ち上げた大きな理由だったりします。

私がこのゲームを購入したのは「アライアンス・アライブ」をプレイした後でした。覚醒やポジションのシステムがかなり面白かったので、もう少しこのシステムに浸っていたかったんですよね。
関わっているスタッフも同じで画面の雰囲気もそこまで変わっていなかったので、同じ感覚で遊べると思っていました。ようは高難易度版のアライアンス・アライブを期待しての購入、ということになります。
実際にプレイしてみると、システムは似ていても戦い方そのものが違っていましたが。

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一言でまとめると、自分がRPGに対して持っていた固定観念を打ち砕いた作品でした。
とにかく衝撃的で、クリアして時間が経った今でも面白かったのか辛かったのか良く分かっていない状態です。
それでも思わず2週目を始めてしまったので、独特な魅力があるゲームだと思っています。これはこれでありだな、と思わせるものがあると言いますか。

まず、主人公が7人もいると群像劇を期待してしまいますが、個別のストーリはほとんどありません。オープニングでアヴァロン島へ向かった経緯が語られ、エンディングで後日談が語られるだけです。
結果どうなるかというと、プレイ時間のほぼ全てがアヴァロン島の探索に割り当てられます。アヴァロン島の過去も、戦闘における精霊の役割も、プレイヤーの自身の手で見つけだす必要があります。
ゲーム側が物語を提示するというよりは、プレイヤー自身がアヴァロンでの冒険を通して物語を作るような感じですね。
ストーリーが薄く、さらにキャラがあまり喋らないからこそできる事のように思えます(賛否両論でしょうが)。
補足しておくと個別のストーリーが全くないわけでは無く、探索中に発するセリフはそれぞれ違いがあります。

このゲームの特徴は主人公達とプレイヤーの距離の近さ、そしてプレイヤーの工夫が求められる独特な戦闘にあるような気がしています(9/11修正)。
主人公たちは「アヴァロン」という島のことをほとんど知りませんし、既にアヴァロンにいる冒険者達もそれは同様です。島そのものが未踏の地なので道案内もなく、地図を書きながら手当たり次第に探索をすることになります。
アヴァロン島は、主人公たちとプレイヤーのどちらにとっても未知の島です(9/11修正)。プレイヤーが知らない事は主人公達も知らない事がほとんどなので、主人公たちと同じ目線に立ってゲームを進める事ができます。

拠点となるイニティウムには多くの冒険者達が集っていますが、彼らのセリフは予想以上に多く用意されています。

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有益な情報を教えてくれる事もあるので、話しかけて回る事をおすすめします。
ストーリーが進めば彼らのセリフも変化していきますし、ゲームへの没入にも一役買っています。ちょっとしたセリフの変化とはいえ、プレイヤーの行動に対して反応があるのは嬉しいですよね。

最初のイベントでも説明されますが、アヴァロン島は精霊と深い関係があります。

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様々な場所にある岩を調べ、アヴァロンの過去を解き明かす事が一つの目的になります。この島で起こる様々な出来事については、この岩の語りによって徐々に説明がされていきます。
ストーリー中で明かされる謎はほんの一部です。残りは岩の語りやココ(ネコ族)のセリフから考察していく必要があります。
この辺りはアライアンスアライブにも引き継がれているような気がしますね。あちらは基本のストーリーがありますが。

精霊は戦闘にも大きく関わっているのですが、どういう影響をもたらしているのかは作中では触れられません。精霊による影響、そして精霊術については自分で試行錯誤しながら確かめる必要があります。
少しくらいヒントを出しても良かったと思うんですけどね…
物語と関わっている精霊はともかく、このゲームには説明不足な部分が多いので多少補足します。


このゲームの独特な要素について説明します。主に戦闘システム関係です。
まずはポジションの入手法についてです。
今作ではキャラにアタック、ガード、サポートの役割を振り分けることができ、ポジションを切り替えながら戦闘を行います。攻撃や防御以外に行動順も変動するのでかなり重要なシステムです。
もちろんポジションにも種類があるのですが、入手方法は島を探索している冒険者から教えてもらうことです。この入手方法はノーヒントでは気づきにくいように思えます。

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次はレベルについてです。
普通のRPGらしくレベルというシステムはあるのですが、これもアタック、ガード、サポートの3種類に分かれています。
これも曲者で、それぞれの意味が最初は良く分からないんですよね…
何を指しているのかというと、

アタック=攻撃力、命中率
ガード=守備力
サポート=素早さ

となっています。
どのレベルがアップするのかは、戦闘中に割り当てられたポジションの種類に応じて決まります。
敵が強力であるほどレベルアップの確率は上がりますが、結局は確率です。
苦労して勝利を収めたとしても何も成果を得られない事はあるので、これも賛否両論な評価につながっている部分だと思います。

そしてこれらのレベルは戦技の覚醒(新技習得)にも関わっています。
・キャラのポジションレベルと使用する戦技のポジションレベルの合計
・敵の強さ
・キャラごとの適性
によって覚醒のしやすさは変わってきます。
様々な技を覚醒したいのであればポジションレベルはバランス良く上げていく事をおすすめします。一つのポジションに特化していた場合、目当ての技をなかなか覚醒出来ないという事が起きます。攻撃技はアタックレベル重視、ガード技はガードレベル重視という風にある程度は分けられてはいますが、私はつまづきました。
ちなみにこれらの条件を満たせなかったとしても、習得自体は可能のようです(低確率ではありますが)。

ここからはこのゲームの「RPGらしくない部分」について触れます。
まずストーリーの薄さが当てはまりますが、これは省きます(冒頭で書いたので)。
また、マップに装備品が落ちていないのも珍しいですね。宝箱から得られるものは換金アイテムがほとんどです。
ある条件を満たせば強力な装備や有用なアクセサリーも拾えますが、運任せです。

もう一つは割合ダメージです。
普通のゲームの場合、レベルを上げて装備を整えてしまえば相手がボスであってもそこまで苦労せず倒すことができます(例外はあります)。防御力が上がれば被ダメージは確実に抑えられていきますし、最大HPが高くなれば一撃で倒されることは無くなりますよね。
ですがレジェンドオブレガシーは割合ダメージが猛威を振るうゲームなので、HPを上げたとしてもそれが手痛いダメージであることには変わりません。防御面が足りないとそのまま即死することもありえます。
この仕様があるので、序盤に脅威だった敵は後半でも脅威になりえます。(流石にHPは低いので先に殴ってしまえば良いのですが)。
割合ダメージはボス専用という訳ではなく、雑魚敵も多用してきます。そのため、雑魚相手でも冷静に守りを固めていく必要があります。

ここまでだと理不尽なゲームだと思われそうですが、全滅しないようにすること自体はそこまで難しくありません。守りを固めようにも相手が先に行動してしまってそのまま壊滅することはありますが。

一見勝てないような敵でも打開策はあるので、今まで散々に苦しめられた強敵を倒した時は達成感があります。

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ですがここにも問題があり、全滅のリスクを完全回避して勝とうとするとおそらくは戦闘が非常に長引くことになります。
上手い人ならリスクを犯さず手早く片づけられるのかもしれせんが、私の場合、一週目では泥沼のような長期戦になってしまいがちでした。
安定した戦術ばかり続けていると飽きてくるというか苦痛になります。これも評価が分かれる部分だと思っています。
とはいえポジション変更を駆使しながら様々な戦技や精霊術を利用すれば攻撃のチャンスは作れるので、長期戦でしか勝てない訳ではありません(9/11修正)。
個人的には、まず鉄壁の守りを用意してそこから少しづつ攻撃に転じていく戦い方が面白いと思っています。

戦闘に爽快さが少ないゲームではありますが、こういったこともできます。

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詳細は伏せます。一気に敵を片づけられる事が出来ますし、一掃してしまう方が良い事もあるのですが、その分リスクは大きくなります。

少しヒントを残しておくと、店売りの装備品はかなり優秀です。救命箱など役に立つものも多いですが、交易品を無理に厳選する必要はありません。そして盾と大剣は非常に役に立ちます。
個人的には戦技と精霊術一覧は調べてしまった方が遊びやすいと思いますが、ここは人それぞれですね。

最後に2週目への引継ぎ要素です。
大体はそもそも2週目が無いか強くてニューゲームができるかのどちらかだと思うのですが、どちらでもありません。
引継げるのはアヴァロンの書(図鑑)のみ、そして上位種のモンスターが出現する確率が上がります。
アイテム自体は引き続げませんが、いくつかのレアアイテムは次の周回で掘り出し物として売られるようになります。なのでアイテム回収が無意味というわけではありません。


かなり後回しになりましたが、マップ周りのシステムも紹介します。

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新しい地図を手に入れることでマップが解放されていきます。
地図は買う事もできますし、マップの探索で手に入れる事も可能です。

下画面には地図が表示され、キャラを操作して地図を埋めていきます。
地図には完成度があり、良く出来た地図ほど高値で売る事ができます。
地図埋めが好きな人は熱中しそうですね。

売ることのメリットは、
・マップに他の冒険者が出現する(ポジションが入手可能になる、ゲームオーバー回避)
・敵が弱くなる(強い敵が出現しなくなる、数が減る)
といったところです。
売った後でも地図は完成させる事ができるので、探索が辛いと思ったら売る事をおすすめします。

画面はこんな感じです。
森以外にも遺跡や洞窟など、ダンジョンらしいダンジョンが揃っています。

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変わっている部分は建物や木が下から生えてくることですね。飛び出す絵本といった感じで見ていて面白いのですが、地図を見ないと引っ掛かったりするので一長一短です。
敵はアライアンスアライブと同じくシンボルエンカウントです。
出てくる敵の種類はシンボルの見た目で判別できるので、避ける敵と戦闘する敵を分けて進むのもありです。
クイックセーブを駆使すれば全て回避して進むことも一応は可能です。

あとBGMにも触れておくと、かなり好みでした。
作曲は浜渦さんなので落ち着いた曲が多めですが、『ドラゴンバトル』のようにギターが目立つ一風変わった戦闘曲もあります。
前半の戦闘曲『双次元バトル』も曲の出だしから盛り上がります。
『旅立ち』『精霊使い』などピアノが目立つ曲が多いのも嬉しいですね。
RPGはこれで最後にしたい」というコメント通りかなり曲には凝っているようで、特定のキャラにしか使われないBGMもあるようです。
いまいち良く分かっていませんが、『奪還』と『勇気』はフィルミアのみで『存在の証明』はビアンカのみですかね?
また、メインテーマのメロディは他の曲にもアレンジされて使用されています。
重要な場面でのBGMに使われている事が多いのですが、私が気づいたのはサントラを購入した後でした。

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本音を言えば、レジェンドオブレガシーは自分にとって少し難しすぎました。
ですがバフにデバフ、行動順の調整から状態異常まで使った戦闘は新鮮でもありました。自力で試行錯誤して対応していく楽しさを知るきっかけになったので、良い経験になったと思っています。

個人的には世界樹の迷宮が好きな人にもプレイして欲しかったりします。
キャラメイクはできませんがストーリー薄め、地図要素有り、戦闘重視という点では合っていますし、少しづつ謎が解き明かされていく部分も似ています。
戦闘の中身はかなり異なるので気軽におすすめはできませんが…

なんだかんだで悪い作品ではないので興味があればやって欲しいRPGです。簡単には忘れられないようなゲーム体験ができますよ。
気が休まらないゲームなので息抜きには向きませんが、戦闘システムを重視するプレイヤーなら楽しめるのではないでしょうか。

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アライアンス・アライブの感想と紹介:懐かしさと遊びやすさが同居したRPG

レジェンドオブレガシーの評判もありある意味話題になった作品である『アライアンス・アライブ』。
コンポーザーが浜渦さんだった事が決め手になり、私は発売日に買いました。

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紙の説明書付きです。

実際にプレイした感想としては、「遊びやすいよう綺麗にまとめあげた昔ながらのRPG」でした。
テンポよく遊べるような工夫もありますし、ストーリーとバトルシステム、そしてワールドマップなどの要素が上手くまとまっています。
自分はどちらかというと一部が突出したゲームよりそつのないつくりのゲームが好みなので大いに楽しめました。
やっていて苦痛を感じないので止め時を失ってしまい、気づいたら3週目まで到達して90時間近くやっていましたね…
ストーリー自体はサクサク進むので、ゲームをクリアするだけなら30時間もかからないと思います。

そつのない作りな分、突出した個性は見つけづらいですし、人によっては様々な部分が中途半端に感じることもあるはずです。
もしこのゲームをやって足りないと思った部分があったなら、それがあなたがRPGに特に求めているものなのかもしれません。


まずはストーリーについて触れます。
魔族が支配している世界に立ち向かい、失われた青い空を取り戻すという物語です。分かりやすいストーリーではありますがちょっとしたひねりは加えてあります。
人によっては「魔族が支配している」というイメージとの食い違いを感じるかもしれませんが、この部分は後々あるキャラが言及しますし、設定自体はかなり練られているように感じています。
この物語の裏設定については、ちょっとしたセリフあるいは建物など様々な場所にヒントが隠されています。考察好きの方はぜひ考察してみてはいかがでしょうか。

仲間たちの過去の掘り下げは少なめですが、豊富にある掛け合いのおかげで性格は掴みやすかったですね。
掛け合いのテンポも良く、特に序盤、仲間たちが揃っていくイベントでのやり取りは必見です。
重い空気を吹き飛ばしてしまうようなやり取りには思わず笑ってしまいます。
ついでに言うと「おつかい」のようなイベントはほぼありません。早く先に進みたいのに全く関係ない事をやらされる、という事もなくストーリーをテンポよく進められます。


ダンジョンや町は背景をそのまま立体化させたような画面になっています。個人的にはサガフロ2を思い出します。

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こんな幻想的な村もあります。
基本的に立体視には対応していませんが、ダンジョンや町の全体が映った状態でなら立体視ができます。
一定時間操作せずに放置していると視点が切り替わり、上の画像のように全体が映るようになります。


このゲームでは、世界各地にいるギルドメンバーを勧誘することができます。
キャラにはそれぞれギルドの適性があるのでその中から加入させるギルドを選びます。全メンバーを勧誘したとしても全てのギルドレベルをMAXには出来ないので悩みどころですね。
ギルドで出来る事は武具や印術の開発、図鑑の閲覧、フォーメーションの作成など多岐に渡ります。
それだけではなく、戦闘も支援してくれます。やってくれる事は行動妨害だったり、防御ダウンと様々です。仲間達と共に強敵に立ち向かっているような感覚があり、盛り上がります。
ギルドメンバーにも個性的なキャラが集まっていますし、下画面を覗くと妙なやりとりをしていることも…?


そして今の時代だと珍しいワールドマップです。
ポリゴンで作られているのもあってPS1時代のワールドマップを彷彿とさせます。

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RPGの乗り物といえば船と飛空艇ですが、今作では加えてオーニソプター(グライダー)があります。
これが特に面白いと感じました。高い足場こそ必要ですが、目に付く場所なら基本的に何処へでも飛んでいけます。
ワールドマップをただ歩くのではなく、高い場所を探し回り、次の足場へ飛び移っていく。なかなか新鮮でした。
探索で見つけられる洞窟や建物ではお金や装備品が拾えますし、かかった労力の分の見返りもあります。
そしてそう簡単にたどり着けない場所には大体の場合、大シンボル(ゼノブレイドで言うところのユニークモンスター)の敵が配置されています。彼らが何処にいるのか探し出すのもなかなか面白いですよ。
あと補足しておくと、今作には高速で地上を動ける乗り物がありません。ワールドマップでの移動が面倒と感じる人には辛い部分かもしれません。

このゲームを遊びやすくしている要素の一つとして、どこでもセーブができる「クイックセーブ」という機能があります。

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この機能のおかげで「ちょっと気になるけど全滅するかもしれないからやめておこう」という事を気にせず強敵に挑めます。
戦闘スピードは四倍速まで加速できるので、戦闘自体も短く済ませる事が可能です。前のターンの行動を記憶してくれる点もありがたいですね。


また今作ではクエスト(依頼)というシステムが無いため、自分から世界を探索していくというのが主な遊び方になります。
エストが多いゲームだとどれか一つは面倒に感じる依頼があったりするものですが、そもそも存在自体がこのゲームにはありません。
その分ストーリーとワールドマップの探索に集中できます。

注意点もあります。
DQやFFに馴染んでいる人ほど引っかかってしまいそうですが、実はこの作品、敵は基本的にお金をドロップしません。
なので金欠になってしまった時は各地を探索するか、換金アイテムを集める事になります。
資質を利用して値切ることもできますし、換金アイテムを高値で買い取ってくれる店も用意されていますが、運が絡むため金策は楽ではありません。
新しい町へ来たらまず武器と防具を全員分買い揃える人にとっては辛いかもしれません。

戦闘はコマンド式で、パーティの行動をまとめて入力する形式です。昔ながらのシステムですね。

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今作にはレベルの概念が無く、戦闘後に確率でHPとSPが成長します。
攻撃力や防御力は伸びないので、そこは装備や陣形でカバーしていく事になります。
レベル制ではないので技は戦闘中に確率で覚えていきます。強敵を相手にするほど覚醒が起きる確率は高くなり、より強い技を覚える事ができるようになります。ようは閃きですね。
基本技から一応は全ての技に派生していますが、技ごとに派生しやすい技が決まっています。
印術や魔術は各地の店から買う事で習得していきます。印術のみ印術ギルドからでも開発・購入ができます。
また、技と術にもレベル(ポジションレベル)が設定されており、使い込む事で威力や発動速度が上昇していきます。最初は弱かったとしても、ポジションレベルさえ上がれば化けることもあります。

そしてバトルを盛り上げてくれるのがこの「ファイナルストライク」です。

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イグニッション時のセリフも面白いです。
戦闘が長引いたり、ピンチになると使用可能になる、逆転勝利のためのシステムです。武器と引き換えに敵に大技を叩きこむことができます。
ファイナルストライクを使っても武器が消滅したりはしないので、そこは安心してください。
このシステムもあり、ボス戦は白熱した展開が多くなります。後半まではかなりお世話になるのではないでしょうか。
ギルドの成長具合によっては「リインフォース」も使用可能になります。
同じポジションの仲間たちと連携してファイナルストライクを発動させるというもので、リインフォースも交えたファイナルストライクは爽快の一言に尽きます。

それ以外に陣形やポジションといった要素もあります。

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この陣形とポジションが戦闘をより複雑に、そして面白くしています。
ポジションを変えることによってそのキャラの防御力、攻撃力、回復効果、速度が変動します。
陣形はターンごとに変えられるので、状況に応じて臨機応変に陣形を変えて戦うことができます。
フォーメーションは自分で作る事ができますし、名前も自由に付ける事ができます。最初はアタック、ガード、サポートの3種類しかありませんが、ギルドを利用すれば増えていきます。

前列や後列にもちゃんとした理由があります。
他のゲームでもおなじみですが、近接攻撃は距離によってダメージが減衰するようになっています。
敵側にも陣形はあるので、例えばこっちの最後列から相手の最後列に近接攻撃をすると…?
遠隔攻撃と近接攻撃を使い分けることができると多少スムーズに戦えますが、実のところごり押しでもいけます。

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その技が近接か遠隔か、ダメージ率がどうなっているのかは画面切り替えで表示できます。

「陣形」「ポジション」「武器によるガード」はこのゲームにおいて非常に重要な部分となっています。ちなみに盾はれっきとした武器です。

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もし苦戦することが増えたならこれらを見直してみるといいかもしれません。
このゲーム、基本的に全体回復は出来ないのですが、ファイナルストライクには全体回復が用意されています(リスクのある方、安全な方の2種類あります)。
入手が可能になるタイミングはかなり後になってしまいますが、使えるようになれば大きな手助けになるはずです。

今作では、あるキャラを除いて武器の装備制限がありません。
好きなキャラクターに好きな武器を持たせて戦うことが可能です。
キャラにはそれぞれパラメータが設定されているので得意不得意はありますが、ゲームクリアに影響するほどではないです。
サガシリーズレジェンドオブレガシーを知っている人だと適性の存在を疑ってしまいそうですが、その辺りは「資質」でいじることができます。

資質には敵から見つかりにくくなる「斥候術」、毎ターンのSP回復量を増やす「継戦能力」など、様々なものが用意されています。
その中から技の覚醒率を上げる資質などを取ってしまえば、適性がある状態とほぼ変わらなくなります。
なのでどのキャラにも得意武器を自分で設定できます。例えば、レイチェルを弓使いではなく槍使いにすることもできます。
資質は戦闘以外のものも揃っているので、イグナスに「交渉術・値切り」を習得させて庶民派魔族っぽくすることも可能です。


最後にやりこみについてです。
今作には裏ボスや裏ダンジョンが無く、やりこみ要素が少ないと思われがちですがやりこみ要素はあります。
ドロップでしか入手できない装備品、ギルドメンバー集め、ギルドの支援が無ければ出会うことのできない魔物、ある条件でどんどん強化されていくボスなど様々です。

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彼らを相手にするのなら、育て上げたHPやSP、鍛え上げた武器や防具は無駄になりません。それ以外の対策も必要になりそうではありますが…


ストーリー、キャラ、戦略性、ワールドマップの探索要素、ギルドメンバーや強敵などのやりこみ要素など、一通りそろっているゲームです。
レベルが無いRPGに馴染みの無い人は多いかもしれませんが、このゲームは万人受けするゲームだと私は思っています。
自分がRPGの何を特に重要視しているか自覚する、という意味でも一度このゲームを手に取ってみてはいかがでしょうか。